
予熱温度計算ツール — EN 1011-2 方法B
水素による低温割れを防ぐための最低予熱温度を、炭素当量CET・継手の合計板厚・溶接材料の拡散性水素量・入熱から求めます。実在の鋼種を入力すれば、CETはその鋼種の規定成分から導かれます。実際のGETフォームなので、JavaScriptを無効にしても正しく計算されます。
EN 1011-2 附属書C.3、方法B — 非合金鋼および低合金鋼のみが対象です。溶接施工要領書を作成するための目安であり、認定されたWPSの代わりにはなりません。更新できませんでした。入力内容はそのまま保持されています。もう一度お試しください。
この数値を使う前にお読みください
予熱が不足すると水素による低温割れが生じます。低温割れは溶接から数時間〜数日後、つまり外観検査で合格とされたずっと後に現れます。この計算ツールは公表された一つの手法を、その適用範囲内で再現するだけです。拘束度、継手形状、実際の溶接材料の水素量、周囲環境は考慮していません。溶接施工要領を作成し妥当性を確認するために使ってください。製造を律する数値は、認定されたWPSに記載されたものです。
方法Bが温度を導く仕組み
溶接部が低温で割れるかどうかを決めるのは四つです。鋼の焼入れやすさ、継手が熱を逃がす速さ、施工が溶着金属に持ち込む水素量、そしてアークが残す熱量です。方法Bはそれぞれに一つずつ項を対応させ(焼入れ性にCET、熱の逃げ場に合計板厚、水素にHD、アーク熱量にQ)、その水素が害を及ぼす前に拡散して抜けられるだけ冷却が遅くなる温度を返します。
広く誤って公開されているため、あえて明記します。板厚の項は tanh(d / 35) であり、板厚とともに増加します。厚い断面ほど熱を速く奪うので、必要な予熱は減るのではなく増えます。上位に表示される複数の計算サイトが tanh(35 / d) を用いていますが、これは物理を逆にしており、継手が最も重厚で結果が最も深刻な領域でこそ予熱を過小評価します。本エンジンは規格の記述どおりに実装しています。
この手法が適用できなくなる範囲
方法Bが検証されている範囲は、CET 0.20〜0.50 %、合計板厚 10〜90 mm、HD 1〜20 ml/100 g、入熱 0.5〜4.0 kJ/mm です。この範囲を外れると本ツールは計算を拒否し、超えた限界値を明示します。式そのものは、何も予測しなくなったあともずっと数値を返し続けるからです。またステンレス鋼・オーステナイト系・高合金鋼は対象外です。ステンレス鋼種を入力すると、まず炭素当量がクロムで拒否されます。それは、この手法が適切な道具ではないという合図です。
予熱温度 — よくある質問
結果が負の値やごく低い値なら、予熱なしで溶接してよいですか?
結果が室温以下になるのは、その四つの入力に対して式が予熱を要求しないというだけで、無条件に安全という意味ではありません。拘束、湿気、母材温度がおよそ 5 °C を下回る場合、厚肉や剛性の高い構造は、いずれもこの式が扱っていない予熱の理由になります。結果はWPSへの入力であり、判断するのはWPSです。
なぜ CET は許容成分の上限から取り、中央値を使わないのですか?
規格範囲の上限で納入された溶鋼も完全に規格適合であり、同時に十分に焼きが入るからです。中央値で予熱を決めると、その中央値より上のすべての適合溶鋼が保護不足になります。そして割れが起きるのは、まさに保護不足の側です。本サイトのPREN計算ツールが中央値を使うのは、ちょうど逆の理由です。あちらでは保証されていない含有量を算入すると耐食性を過大評価してしまいます。どちらのツールも、元素ごとにどの値を使ったかを明示します。
方法Aと方法Bの違いは何ですか?
いずれもEN 1011-2 附属書Cにあります。方法AはCEVを起点に線図と水素スケールを用います。方法Bはここで実装している閉形式の式で、CETを中心に構成されています。両者は適用範囲の異なる別々の近似であり、一致する必要はありません。食い違う場合は、仕様書が指定するほうが優先します。本ページは方法Bのみを実装しており、その旨をフォームの上に明記しています。
これは予熱温度ですか、それともパス間温度ですか?
これは最低予熱温度です。アークを出す前に継手が到達していなければならない温度を指します。多層盛りでは通常、同じ値を最低パス間温度として保持し、パスの間もこれを下回らないようにします。最高パス間温度は別の制限で、母材とWPSから決まります。この式はそれを与えません。
ステンレス鋼種を入力すると、なぜ拒否されるのですか?
方法Bの基礎にあるCETの式は、非合金鋼と低合金鋼を対象に作られており、その適用範囲はクロムを 1.5 % までに制限しています。ステンレス鋼種はその十倍を含むため、拒否メッセージはクロムを名指しし、そこで止まります。これは欠落ではなく正しい挙動です。オーステナイト系ステンレス鋼は、この手法が扱うマルテンサイト的な意味では焼きが入らず、その予熱はまったく別の観点で決まります。






